AIで作ったデザインが「なんとなくダサい」と感じる理由

「AIでロゴを作ってみた」
「ChatGPTや画像生成AIでチラシを作ってみた」
「AIでホームページを作ってみた」

最近では、誰でも手軽にデザインを作れる時代になりました。実際に私自身も、制作の効率化のためにAIを積極的に活用しています。しかし、AIで作ったデザインを見たときに、「なんとなく安っぽい」「どこか素人っぽい」「悪くはないけれど印象に残らない」と感じたことはありませんか?

それには、きちんとした理由があります。

AIは「平均点」は得意だが「らしさ」は苦手

AIは膨大なデータをもとに、一般的に良いとされるデザインを組み合わせて提案します。そのため、一定以上のクオリティには仕上がります。一方で、

  • この会社らしさ
  • この商品の魅力
  • この地域ならではの雰囲気
  • このブランドが大切にしている価値観

といった背景までは理解できません。その結果、多くの人にとって無難なデザインになりやすく、どこかで見たような印象になってしまうのです。

良いデザインは「きれい」ではなく、「伝わる」ことが重要です。例えばチラシなら…

  • 最初に何を見てもらうか
  • 次にどこへ視線を誘導するか
  • 最後にどんな行動をしてほしいか

という順番を考えながら設計します。AIは見た目を整えることは得意ですが、「この情報を強調するべきか」「ここはあえて目立たせないほうがいいか」といった判断は、まだ人間のようにはできません。その結果、すべての情報が同じような強さで並び、「結局何を伝えたいのかわからない」デザインになってしまうことがあります。

余白には理由がある

「もっと大きくしてください。」
「ここが空いているので文字を入れましょう。」

こうした要望はよくあります。しかし、デザインにおける余白は「空いているスペース」ではありません。

余白には、

  • 見やすくする
  • 高級感を演出する
  • 情報を整理する
  • 視線をコントロールする

という大切な役割があります。AIは余白を配置できますが、「なぜこの余白が必要なのか」まで意図して設計しているわけではありません。だからこそ、人が見ると「なんとなく窮屈」「なんとなく安っぽい」と感じることがあるのです。

ブランドらしさはデータだけでは作れない

例えば同じ「高級感」を表現するとしても、

  • 老舗旅館
  • 高級レストラン
  • 美容クリニック
  • 自動車メーカー

では、求められる雰囲気はまったく違います。

色、写真、余白、書体、言葉選び。そのすべてを組み合わせて初めてブランドイメージは生まれます。AIは似た雰囲気を再現することは得意ですが、「その会社だからこそ表現すべき個性」を引き出すには、人との対話や経験が欠かせません。

デザインは「目的」を達成するための手段

デザインの目的は、美しく見せることだけではありません。

例えばホームページなら、

  • お問い合わせを増やしたい
  • 採用応募を増やしたい
  • 商品を購入してもらいたい
  • 会社の信頼感を高めたい

など、それぞれ目的があります。

目的が違えば、レイアウトもコピーも写真の使い方も変わります。AIは見た目を整えることはできますが、「成果を出すための設計」は、まだ人間の経験やマーケティングの視点が大きな役割を担っています。

AIは敵ではなく最高のパートナー

ここまでAIの弱点を紹介しましたが、私はAIを否定したいわけではありません。むしろ、制作現場では欠かせない存在になっています。アイデア出し、文章作成、画像生成、構成のたたき台など、AIのおかげで作業効率は大きく向上しました。だからこそ大切なのは、「AIに任せる部分」と「人が考える部分」を切り分けることです。AIは作業を速くすることは得意ですが、お客様の想いや市場を理解し、「誰に、何を、どう伝えるか」を考えるのは、人の仕事です。

AIによって、誰でも手軽にデザインを作れる時代になりました。しかし、「なんとなくダサい」と感じるデザインの多くは、センスの問題ではなく、「目的」や「伝え方」が設計されていないことが原因です。AIは非常に優れたツールですが、それだけで成果につながるデザインが完成するわけではありません。だからこそ、これからの時代に求められるのは、AIを使える人ではなく、AIを使いこなし、成果につながるデザインを設計できる人なのだと考えています。

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